2011.04.09 Saturday
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1.INTRO (S.I.M.O.N Is Back) 2.Who Got The Next ? feat. Tomogen (DobermanInc.) 3.The Locus -軌跡- Produced by 318 4.Skit-interview- 5.Knock Out 6.SIMON SAYS 7.Super Fly feat.Jay'ed 8.Live On Stage 9.Skit 10.23区 Game Part.2 feat. Smoke=S 11.Gooday feat. STY 12.Runnin' feat. 4WD 13.Jesus feat. 日の丸 240 14.ある日突然 15.Dream feat.Anarchy 16.Outro - I.K.B Style
★★★★★★★☆☆☆
マス対コアの姿勢やらセルアウト叩きやら、最近ではパーソナルな部分に根差した徹底したリアル思考やら。そういった本場のHIHOPにおける精神的な部分はこれでもかというくらいみんな賛美し遵守してるのに、向こうの音楽性を受け継いで曲を作るとなぜか「向こうの猿真似!!日本独自のHIPHOPを模索すべきだ!!」と批判の嵐。スピリットは受け継いでもミュージックは受け継ぐなとでも言う理論なんですかね。そんな風潮にウンザリしつつDSだってTBHだってガンガン聴く僕にとって、このSIMONは久々の「こっち側」の有望株なわけです。( 「Skit -Interview-」で聴ける通り、SIMON自身こうした風潮には思うところがあるみたいですね。)
最近の主にサウス寄りのメインストリームトラックが大半を占めて、なんだかんだ一度聴けば忘れられなくなるSIMONのくちゃくちゃしたフロウが延々と流れる。変にリスナーの顔色を窺わず、徹底して本場志向に拘ってアルバム一枚作り上げれば、それも立派なオリジナルの貫き方。それに同調する客演陣もそっち寄りの面々で、中でも大阪D-ST組が元気良い。尼崎をやたらとレぺゼンするようになるにつれてフロウにどんどん味が出てきたTOMOGENとの「Who Got The Next?」や、HOOKで圧倒的な存在感を放つ4WDとの「Runnin'」はボトムもガッチリ縁の下を支えた今作の核となるナンバーだ。特に「Runnin'」のトラックの雪崩みたいな崩れ具合はカッコ良い。これを始めとしてハードコアナンバーに外れはほとんどなく、かと思えば「Super Fly」、「Gooday」、「ある日突然」のようなクールダウンポイントが要所要所に配置されていたり。ラストで詰め込み型のフロウが抜群のハマり具合を見せるAnarchyとの「Dream」や、クールな回顧ナンバー「The Locus-軌跡-」も高レベルだ。Anarchyは酷評したセカンドでもこれくらいフロウが奔ってれば良かったのに。リリックの幅は決して広いとは言えなく、その面では物足りなさもあるにはあるが、SIMON自身が特別その点を重要なポイントとしていない以上、そんな批判も元々意味を為さなくなってくる。降神にダンスナンバーを求めるようなもんでしょう。
そういった点を外して考えれば、考え抜かれたアルバム構成で一枚飽きずに聴き通せて、かつ名曲と呼べるほどのものはなくとも各曲のレベルも総じて高い。彼のフロウが納豆みたいなスタイル以外にももう少し引出があればもっと面白くなるかもなぁとは思いつつも、派手ながら長く聴ける佳作です。もし音がつまらないと感じたリスナーがいたら、一度上ネタじゃなく基盤を支えてる変態ビートに耳を傾けてみるのもお勧めかも。
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